【元、世界遺産】海商都市リヴァプール(Liverpool – Maritime Mercantile City)
イングランドの中西部にあるリヴァプールは、もともとは小さな港町でしたが、17世紀になると商業都市として急成長し、やがて18〜19世紀には三角貿易の拠点として大いに発展。三角貿易とは、イギリスからアフリカへ繊維や武器を売り、アフリカからカリブ海へ奴隷を売り、最終的にカリブ海で砂糖や綿花などをイギリスへ持ち帰るという、イギリスの当時の貿易方針。
ここは造船所や倉庫街、公共施設、商業地区など6つのエリアが登録されていて、これらは大英帝国の発展に重要な役割を果たしたという点で評価されていました。しかし、ウォーターフロント開発計画などの再開発により、景観の保護が損なわれるとされ、2021年に世界遺産リストより登録抹消されました。
写真上:アルバート・ドッグ(Albert Dock)
アルバート・ドッグは、世界でいちばん最初につくられた、鋳鉄、レンガと花コウ岩でできた不可燃性の倉庫で、1846年にオープン。主に船の修復や、荷役作業をする場として造られており、1848年に水圧を利用した世界初の貨物用のエレベーターが取り付けられました。1920年代に突入すると、商業船が減少したため、主に倉庫としての利用のみになりました。そして現在は倉庫としての役目から、魅力的な観光地として、リバプールの街のにぎわいに一役買っています。
写真下:マシューストリート(Mathew Street)
狭く小さな通りだが、デビュー前のビートルズが出演していた「キャヴァーン・クラブ」で有名なリバプールの名所。メンバーが通っていたパブ「Th Grapes」や、ビートルズグッズを扱う店などもある。毎年夏にはビートルズフェスティバルも開催。心理学者のユングも度々訪れたことでジョン・レノンとユングの銅像もある。
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