【世界遺産】フォース鉄道橋(Forth Bridge)
フォース橋はスコットランド東部のフォース湾に架かる現役の鉄道橋です。フォース湾近辺は強風が吹き荒れることで有名であり、強風に持ちこたえられる橋を計画した結果、三角形の組み合わせを基本とする「トラス構造」が取り入れられ、100年以上持ちこたえる堅固な「トラス橋」となりました。フォース橋が建設される少し前、近郊のテイ湾にはテイ橋がかけられましたが、強風により崩落し、列車の乗客75名が死亡する大事故がありました。テイ橋の事故を教訓として、フォース橋の建築はより慎重に行われています。
また、フォース橋は世界で初めて、複数のカンチレバー(片持ち梁)を採用した「カンチレバー橋」でもあります。カンチレバーとは、一端だけを固定する構造のことで、当時は画期的な方法でしたが、水面など柱を立てにくい場所や、長距離にわたる構造の橋を建設する際に適した建築方法です。素材としても、当時画期的であった軟鋼を使用していることが高く評価されています。フォース橋は世界一長いカンチレバー橋でしたが、17年後にカナダのケベック橋が世界最長記録を更新しています。
フォース湾に架かるフォース橋は合計2本あり、鉄道用の橋はフォース鉄道橋と呼ばれることもあります。もう1本は20世紀に車両用に建設された橋ですが、世界遺産には含まれていません。
|