バース寺院



バース寺院(Bath Abbey)

中世の代表的な建造物にはバース寺院がある。もともと675年に創設されたバース修道院の付属教会として建設されたもので、11〜15世紀にはローマ・カトリックの大聖堂として使用された。15世紀にはすっかり荒廃していたが、1500年頃に再建が決定し、ゴシック様式の教会堂が建設された。ヘンリー8世による修道院解散令によって修道院は1539年に解散したが、1574年に女王エリザベス1世によってイングランド国教会の教区教会への改修が行われ、17世紀はじめに今日見られる教会堂が完成を迎えた。19世紀に一部、ゴシック・リバイバル様式による改修を受けている。平面69×24mのラテン十字形の平面プランで、ゴシック様式の中でも柱や窓・装飾に縦のラインを入れて垂直性を際立たせた垂直式ゴシックの傑作として知られる。内部は52もの窓がある明るい空間が広がっており、身廊の東端を占める巨大なステンドグラスを筆頭に、数多くのステンドグラスで彩られている。また、イギリスを代表する見事な扇状ヴォールト(ファン・ヴォールト。扇のように広がったヴォールト)天井でも知られる。


   

目次へもどる

直線上に配置