イワノヴォ岩窟教会


【世界遺産】イワノヴォ岩窟教会(Rock-Hewn Churches of Ivanovo)

ブルガリア北東部、ルセンスキー・ロム川の渓谷にあるイワノヴォ村の周辺には、岩をくり抜いて造られた石窟教会や礼拝堂、修道院、修行僧の住居などの複合施設が広がっています。隠者たちがこの地の断崖に自らの住居や教会を掘り始めたのは、12世紀頃のことです。イワノヴォの教会群に描かれたフレスコ画は、14世紀の絵画とブルガリア中世美術における卓越した芸術性と感性を示していて、南東ヨーロッパのキリスト教美術における重要な成果です。

これらのフレスコ画はパレオロゴス・ルネサンス期を代表するもので、その表現力において、パレオロゴス様式(東ローマ帝国最後の王朝パレオロゴス朝の芸術様式)の他の歴史的建築物を凌駕しています。新古典主義的な精神と主題の要素を持ち、ビザンツの伝統的なイコン画の様式からは一線を画していて、表現力豊かなヘレニズム美術との強いつながりが見られるのが特徴です。裸体表現、風景、建築背景を取り入れた構図、ドラマ性、感情的な雰囲気などが融合し、タルノヴォ派の絵画と記念碑的美術の傑作として高く評価されています。現在保存状態の良好なフレスコ画はわずか5ヵ所の洞窟内だけとなっています。


   

目次へもどる

直線上に配置