第34番札所
・住所:秩父郡皆野町下日野沢3522
・山号・院号・寺号:日沢山 水潜寺(にったくさん すいせんじ)
・ご詠歌:萬代の ねがいをここに 納めおく 苔の下より いづる水かな
・三千女奉納額:札立峠
天長元年(824)、東国は大干魃で、五穀はもちろん、人畜、草木も助かる方法として、人々は手を尽くしたが、雨は降らなかった。当山に不思議な僧が一人訪れ、土地の人々に向かって雨を祈るので「甘露法雨」と書いた札を立て、観音を信心せよと諭した。人々は教えのとおりに祈ると、三日目に背丈が六尺あまりある法師が蓑笠を着て山の上の岩に笈をおろし、杖を持って岩を突くと、水が湧き出て滝のごとく流れた。里人達は喜んでこれを飲み、かの法師を敬うと、法師は、「私は六十余州を巡ってこの霊地に至った。この場を百番順礼の結願所とするので、今ここに西国をかたどり阿弥陀をおき、板東をかたどって東方の薬師をおき、この観音をおいて、即ち百番となる。私の笈摺を納めた後、必ず熊野権現をはじめ、多くの権現が来るので、信心を怠ってはいけない」と告げ、雨が降るより早くに姿を消してしまわれた。間もなく法雨が降り、衆生の命が助かったので、人々はますます尊んだ。札立峠の名はここに始まるということである
・由来:秩父札所34番寺の前に、結願の御砂ふみがある。平らな黒御影石に二つの足形が揃えて彫ってあり、「足形の上で拝めば、百観音巡礼の功徳がある」と刻まれています。この上に乗って手を合わせると、西国33ヶ所、坂東33ヶ所、秩父34ヶ所の合わせて日本百観音巡礼を果たしたという爽快な気分になるから不思議です。秩父札所34番の観音堂は、寛政の頃(1789~1800)、江戸在住の人々の寄進によって再建されたと伝えられる方形屋根、四間四面の建物で、周囲の環境と調和して結願の寺にふさわしい森厳な寺域であります。観音堂に向かって右奥の岩下に、自然の岩窟があり、清水が湧き、かたわらに石仏がまつってあります。秩父34ヶ所の巡礼を終えた人達が、ここで結願の水垢離をとって、笈を解いたところである。秩父札所34番の寺名はこの行事に由来します。苔むした大きな水鉢にあふれる清水を口に含むと、山の霊気がこもったようなすずやかな味で、身も心も清冽な気分に満たされます。(秩父札所巡りHPより)
・雑感:いよいよ秩父34か所の結願です。また自分にとっては百観音の結願寺です。秩父結願証(証明証)を1000円で、百観音結願証を3000円で希望すれば事実確認もせず誰にでも発行してくれます。また記念写真を撮らされ1枚1000円で販売するなど、なかなか商売熱心なお寺です。木魚を叩きながら般若心行を唱え、これまでの苦労(秩父の前半を除きほとんど全部自動車で訪問ですが)が思い出されます。
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