第30番札所 法雲寺



第30番札所
・住所:秩父市荒川村白久432
・山号・院号・寺号:瑞龍山 法雲寺(ずいりゅうさん ほううんじ)
・ご詠歌:一心に 南無観音と 唱うれば 慈悲ふか谷の 誓いたのもし

・三千女奉納額:唐の鏡
  当山がまだ開基していなかった昔、尾張国熱田の社人が拝殿で一夜を明かしていた。すると異国の美人が一面の鏡を捧げて、「あなたはこの鏡を武蔵国秩父郡深谷に奉納しなさい。この地は、如意輪観音の霊場であるので、後年必ずその霊験があります。その時この鏡と仏像に後光がさすでしょう」と告げて去った。社人は夢の中でこれを聞いて驚き、あたりを見ると、一面の霊鏡があったので、これを持って深谷へ赴き、一人の翁に渡して戻ってきた。
 かくて元応元年(1319)、鎌倉建長寺の道隠禅師が、唐代の玄宗皇帝自身によって楊貴妃の冥福のために刻まれた如意輪の像を不空三蔵に開眼させたものを、ここへ持ってきて本尊とした。そこで、かの翁は昔受け取った鏡を出してしかじかのことを話した。禅師は不思議な思いがして、「あなたは何者ですか」と聞いたところ、「私はこの深谷に千年住んでいる悪龍だったが、観音を信じて善龍となり、今、天に生まれかわる時がきた」と言うと、すぐにたちまち風雨を起こして飛び去った。その時に庭の前に残した龍骨が今も宝物となっている。また、昔の武家の順礼札など、そのほか霊宝もたくさんある。

・由来:秩父札所30番寺の参道につけられた10数段の石段を上ると、右側に納経所を付設した庫裏がある。前面には谷水を引き入れた池があり、その周りは手入れの行き届いたサツキで埋め尽くされています。宝形屋根、三間四面の朱塗りの堂であります。楊貴妃観音とも呼ばれる本尊の如意輪観音についての寺伝は、1319年(元応元年)鎌倉建長寺の道隠禅師が、唐朝の玄宗皇帝が寵愛した楊貴妃の冥福の為、自ら彫刻し、不空三蔵が開眼したものをこの地に招来安置したものだと説く。高さ39cmの如意輪観音は、片ひざを立てた金色燦欄たるもので、ふくよかな手や頬の流れ、華やかな冠や瓔珞など、まさに中国渡来だという寺伝も納得できる。この寺に保存されている納札は、全国的にも珍しい木の板に陰刻されたものであります。6枚現存されているが、秩父札所の貴重な一級資料ではなかろうか。(秩父札所巡りHPより)

・雑感:秩父札所屈指の美しいお庭だそうです。冬場の訪問でしたのでそれほどではなかったですが、五月や、紅葉時期には良さそうです。





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