第10番札所
・住所:秩父郡横瀬大字横瀬5151
・山号・院号・寺号:万松山大慈寺(ばんしょうざんだいじじ)
・ご詠歌:ひたすらに たのみをかけよ 大慈寺 六のちまたの 苦に変わるべし
・三千女奉納額:「摂州儒師」摂津から来た儒者が仏道を罵るのをこの寺の本尊老僧に化身して一言にて諭す。 この地に摂津国から来た儒者が住んでいたが、因果応報の道理を知らず、ただ仏道を罵り、僧を賊であるかのように侮辱していた。ある時、この寺の本尊が老僧となって、彼の家に行き話し合いをした。儒者は悦に入って仏法をさんざんに排斥し、「『観音経』の偈に羅刹鬼国の記載があるが、それはどこにあるのですか。これが全てつくり話であったならば、全く益がない」と言った。僧は笑って、「わが仏教の深い道理はあなた方のような腐りきった儒者の知るところではない」と答えた。儒者は立ち上がって、顔面を真っ赤にして、刀の鍔元をゆるめ、「お前は無法の入道だ。さあ、羅刹鬼国はどこにあるのかとくと見せろ。見せなければ嘘である」と、もはや打ちかかろうとした時、僧は手先を如意でたたき、「その、あなたが問う羅刹鬼国は、すなわちあなたのその怒り狂っている様子を言うのです」と言って笑って消えた。儒者はたちまちこの一言で悟り、僧を拝もうとしたが見つからなかった。このことによって儒者はこの堂の傍らに家を移し、仏道に心をよせたので、その後、霊験を蒙ったという。
・由来:秩父札所10番寺は赤い頭巾と白い腹掛けを着せられた延命地蔵に迎えられ、急な石段を上ると三間二面の楼門形仁王門があります。両袖の火灯窓をのぞくと、4尺(1m21cm)位の形のいい仁王が構えておられます。秩父札所10番の本堂は、中央部に2間半の向拝がつき、その中が土間になっていて参詣者は履物のまま入って拝むことが出来ます。本尊は、恵心僧都の作と言われる聖観音で、賽銭箱の横に40cmほどの赤渋色のお賓頭盧さまが、笑顔で座っています。信者が自分の病む個所を手でさすり、それでお賓頭盧さまの同じところをなでると、病気がそこへ移るという俗信があり、願掛けをする人があとを絶たない。そのため手沢で全身がぴかぴかに光っています。(秩父札所巡りHPより)
・雑感:5番札所から駅に戻るためにバス停に着いたら、次のバスの到着がなんと50分後だったので、もう1か所ということで最寄のお寺であるここを訪問。山門脇のベンチで心地よい風を受けて休息しました。。
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