第6番札所
・住所:秩父郡横瀬町大字横瀬1430
・山号・院号・寺号:向陽山 卜雲寺(こうようさん ぼくうんじ)
・ご詠歌:初秋に 風ふきむすぶ 萩の堂 宿坂の世の 夢ぞさめける
・三千女奉納額:「禅客」一人の禅客来りて六年の間和歌の工夫せしが、ある日誰とも知らぬ一首の和歌を詠じ、禅客この一首を聞き忽ち無常迅速の理を悟り其の声の処を尋ね見れば、一株の萩の下に詠歌の短冊あり、誠に観音の霊感なりと多くの人々霊験を當り、今の萩ノ堂を建立、繁昌の地となれり。 当山の本尊は行基の作で、昔、小さい草庵に安置されていた。しかし、山がそびえ、谷が深いために、鳥獣以外は春秋の彼岸にも来る者もいなかった。ここに一人の禅僧がいて、六年の間、草庵に禅定して、存在の法を考えていたところ、ある日誰かわからないが一首の和歌を詠んだ。その歌に、 初秋に風吹きむすぶ荻の堂 宿仮の世の夢ぞ覚めける とあり、禅僧は、この一首を聞いて、すぐに長年考え続けてきた無常迅速の道理を覚った。その声のするところを尋ねて見てみると、一株の荻の下に、その詠歌の短冊があったので、これこそ真の観音の霊瑞であると、そこに小さいお堂を建てて、荻の堂と名付けた。後に人々が様々な霊験を蒙ったので、今の堂舎を建立して、栄えたのであった。
・由来:秩父札所6番寺の本尊の聖観音は1尺2寸3分(43.3cm)の立像で行基菩薩の作と伝えられている。秩父札所6番の寺宝に、清涼寺形式の釈迦像、1781年(天明元年)作といわれる紙本着色の荻野堂縁起1巻並びに山姥歯等がある。縁起によれば、行基菩薩が秩父札所6番寺地を巡回したとき、武甲山に3mを超す気性の荒い山姥が棲み、里人に害を与え、はてはこれを食らうという鬼神ぶりで、困り果てているのを聞き、さてはこれを除こうと武甲山頂の蔵王権現にこもり、27日間の清誠をこらした悪魔降伏の祈願をした。この神力呪力によって山姥も悶絶し、平伏した。よって遠国へ立ち去るよう論したところ、山姥は前非を悔いて再び里人を食らわない起請の証として前歯1枚、奥歯2枚を折り取って献じて去ったという。その後、里人が行基に請うて彫ってもらったのが今の本尊で、山姥の歯3枚も当時のまま保存されているという。(秩父札所巡りHPより)
・雑感:ここも山門らしきもの無し。階段登るといきなり本堂があります。振り返ると武甲山が綺麗に見えます。
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