30和歌山県 紀州東照宮



所在地:和歌山県和歌山市和歌浦西2-1-20

アクセス:和歌山駅〜バス

文化財:国指定重文

「和歌の浦には名所がござる、一に権現」とうたわれたのが、この東照宮です。古来、和歌浦随一の名所として、今も「権現さま」と仰がれ親しまれています。もともとは東照大権現、日吉山王権現、摩陀羅神の三座を奉祀し、東照大権現とは薬師瑠璃光如来が日本の神として顕現していたという神号であって、病気を平癒し、諸願一切を成就するという信仰がありました。徳川家康公は、薬師瑠璃光如来の生まれ代わりであるという伝承により、正保2年(1645)、宮号の宣下によって東照大権現は東照宮と改められました。

 紀州東照宮は元和7年(1621)、南海道の総鎮護として紀州藩祖徳川頼宣公によって創建されました。約400年も昔のことです。この時、藩主は親しく指揮をとり、石組などは士分以上のものに運ばせました。これは源頼朝の鶴岡八幡宮造営の古例にならったものです。この社殿の結構は「権現造り」または「石の間造り」といって、桃山時代の遺風をうけた江戸初期の代表的な重要文化財建造物です。漆塗り、極彩色の精巧な彫刻、狩野、土佐両派の絵によって荘厳された豪華さは、まさに関西日光の名に恥じません。左甚五郎の彫刻の多いのも稀有ですが、楼門の朱塗り極彩色は、関西唯一といわれます。武具類、陶器、絵画などの宝物の他、重要文化財の刀剣、衣料など17点の秘蔵も有名です。

 天下の名勝、和歌浦の浦波に映える松の緑に覆われた山と丹青の妙を尽くした社殿の調和と破格は、人々に歴史的回想を促し、伝統への郷愁と魂のふるさとを抱かせます。

 祭典としては、和歌祭といわれる神輿渡御祭が有名です。東照宮創建以来、伝承されているこの祭りは、和歌山の伝統芸能の集約化されたものが行列に参加しているので、民俗的にも貴重な祭典です。毎年5月に行われ、和歌山市全域を祭り一色に染めます。(和歌祭HPより)

私的満足度「★★」:御三家の東照宮だけあって立派な造りです。またここから眺める和歌浦は素晴らしいです





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