29奈良県 平城宮東院庭園

フレーム

所在地:奈良県奈良市佐紀町
アクセス:近鉄新大宮駅〜タクシー
形式・作庭:
文化財:国指定特別名勝

平城宮の東張出部(ひがしはりだしぶ)は『続日本紀(しょくにほんぎ)』に登場する「東宮(とうぐう)」又は「東院(とういん)」に比定され、その東南隅部において発見・修復された庭園は「平城宮東院庭園」として広く知られている。庭園は北から南に向かう緩傾斜面の縁辺部に位置し、東と南を平城宮外郭の築地(ついじ)大垣(おおがき)に、北と西を掘立柱塀(ほったてばしらべい)にそれぞれ囲まれている。発掘調査により、池は8世紀を通じて存続するが、中頃に大きく造り替えられていることが判明している。その変遷の過程からは、7世紀の庭園の池に用いられた直線や垂直状の石積を持つ護岸手法から、優美な曲線やなだらかな洲(す)浜(はま)状(じょう)の汀線(ていせん)を持つ護岸手法へと、庭園の意匠・工法が大きく変化した経過がうかがえる。それは、中国及び朝鮮半島から伝わったと考えられる造庭技法を消化し、9世紀以降の日本庭園に見る独自の意匠・工法へと転化を遂げようとする過渡的な過程を表すものである。
このように、8世紀における日本古来の庭園文化と大陸伝来の庭園文化との融合の過程及びその後の発展の過程を知る上で極めて高い造園史上の価値を持つ事例であるのみならず、その独特の意匠・構造・技法が精緻な修復により見事に再生された庭園として芸術上・観賞上の価値は高い。(文化庁国指定文化財データベースHPより)

私的満足度「★」:復元公開されてまもない庭園です。空いてます。自由に拝観可。
            22.8.5付にて国の特別名勝に変更(変更前は名勝)されました。


目次へもどる

直線上に配置