21岐阜県 江馬氏城館跡 庭園



所在地:岐阜県飛騨市神岡町殿573番地1
アクセス:JR高山本線飛騨古川駅から車で30分

文化財:国指定史跡、国指定名勝


今から600年ほど前、室町時代から戦国時代にかけて北飛騨を治めていたといわれる武将・江馬氏。平家の一族だった、執権北条氏の一族だったと諸説ありますが、その出自は現在でも明らかになっていません。土地改良工事に先立つ発掘調査の際に、「水田の中にある5つの大きな石は江馬の殿様の庭石だ」という地域に残る言い伝えどおりに武家館跡が見つかりました。その後、神岡町内の6ヶ所の山城とともに国史跡の指定を受け、庭園、庭園を鑑賞する会所、主門、土塀などが復元されました。今に蘇った中世武家屋敷です。

 館は東の山を背に、西南北の三面が堀と土塀で囲まれている。堀はつながっていない。南北約97メートル、東西は推定114メートルある。主門を入ると広場。右手に板塀が復元された会所(客殿)まで延び、その向こう側に庭園がある。客は会所に通されないと、庭園を見ることができない。
 建物はほかに常御殿、台所と対屋(たいのや)などがあるが、上部構造が不明のため礎石建物跡を板床で表示し、催しのステージにも使えるようにしてある。城館最大の特徴である石組みの庭園遺構は見事だ。長径が2メートル近い大石が多く配置されて力強い。中央に東西に長い不整楕円(だえん)形の池がある。最大部が東西約27メートル、南北約12メートル。常時、水を溜(た)める池ではないようだ。庭園を鑑賞する会所も復元した事例は全国で唯一という。
 城館は足利義満の建てた「花の御所」をモデルにしたとみられる。それは単に地方権力者の憧(あこが)れや好みだけでなく、幕府に直結していることを構造物によって示した権力装置なのだろう。(日本の史跡101選HPより)

私的満足度「★★★」:久々にすごい庭園を見つけました。城跡としては今一つの出来なのですが、この庭園の復原は素晴らしいです。

(追記)平成29年6月16日、文化審議会が名勝の答申を行いました。




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