住所;岩手県遠野市土淵町土淵
アクセス;JR遠野駅〜バス
文化財:
柳田国男によれば、河童とは零落した水の神だという。河童は水辺に近づいた馬を襲うこともあれば、女性を魅惑し孕ませることもある。このような魔性の精霊という一面もあるが、ここ河童淵には河童を祀った祠があり、カミとしての一面ものぞかせている。
遠野には河童の伝承が多く残されている。河童は遠野のシンボルキャラクターといってもよいくらいだ。この河童淵は遠野の名所。「淵」とはいえ、今は水深も浅く、とても河童が潜んでいることを想像できないが、最近まで、ここ河童淵を訪れた者の中でも幸いな者は、「河童淵の主」に出会うことがあった。主といっても河童ではない。河童の伝承を語る老人である。老人は、旅行者のために、快く純粋な遠野方言で河童の伝承を話聴かせることを常にしていた。
安倍といえば、奥州の覇者、前九年の役の立役者安倍貞任が思い浮かぶが、この老人は、この安倍一族の末裔であった。平安時代からの家系が今なお続いていることは驚異といってよい。事実、安倍一族の屋敷跡は史跡としてこの淵のすぐ先にあり、老人の屋敷は淵の隣である。残念ながら、老人は数年前に亡くなったと聞いた。しかしその遺影はもっともふさわしいところ、つまりこの河童淵の祠の中にあった。物語の語り部は、彼が親しげに語ってきた河童たちと同じく、物語の中の人となったのである。(遠野カッパ淵HPより)
私的満足度「★」:カッパ淵を訪問した際に偶然隣にあった史跡です。
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