上智モンテッソーリ教員養成コース
特別講義

終了させていただきました。

平成16年10月6日 水曜日 18時−20時

Dr. シルバーナ ・ Q ・ モンタナーロ
Special Lecture of Dr. Silvana Quattrocchi Montanaro



 マリア・モンテッソーリのご子息マリオ氏から特別に乳児アシスタントコースを依頼されたシルバーナ・Q・モンタナーロ(Dr. Silvana Q. Montanaro)先生は上智モンテッソーリ教員養成コースで特別講義「乳児のための環境づくり」を行います。世界各地で開催されるモンテッソーリ国際会議で講演し、国際的にモンテッソーリ・コースで教えておられるモンタナーロ先生が、上智コースでも、特別にご講義していただけることになったのです。モンテッソーリ教育における幼い子どもの保育に関心をお持ちのお母さま、保育現場にたずさわっておられる先生、小さい子どもの教育に興味をおもちの方、どなたでも聞くことができますので、どうぞお誘い合わせておいで下さい。
 参加費は無料です。


日時 2004年(平成16年)10月6日 水曜日 18時−20時
場所 上智大学 10号館 講堂
講師 シルバーナ・Q・モンタナーロ先生
通訳 三浦 勢津子 上智大学外国語学部英語学科卒
演題 「乳児のための環境づくり」
講師紹介
Dr. Silvana Quattrocchi Montanaro
ローマ大学薬科・外科学位取得
精神医学専攻 心理療法士
0歳‐3歳コース トレイナー
ローマ乳児アシスタントコース主任
1954年 アデレ・コスタニョッキーとコースで教える
1979年 国際モンテッソーリ協会創立50周年世界会議で講演
1980年 マリオ・M・モンテッソーリによってローマでコース開講
1983年 USA ヒューストンでサマーコース開講
1987年 メキシコシテイで0-3歳トレーニングコース常設
1988年 デンバーでコース開講現在も続く
1991年‐92年 ロンドンでコース
1994年‐95年 大阪でコース
1995年‐96年 ローマで第6回通年コース
1997年‐98年 ロンドンでサマーコース
1998年‐99年 ローマで第7回通年コース
1999年‐2000年 サンディエゴでコース
2000年‐01年 横浜第1回コース
2001年‐02年 横浜第2回コース
2003年‐04年 横浜第3回コース開講中
2004年9月-  横浜第4回コース開講予定


 上智大学の公開学習センターのなかにある上智モンテッソーリ教員養成コースは2004(平成16)年10月9日(水)にDr.シルバーナ・Q・モンタナーロ(Dr. Silvana Q. Montanaro)先生を特別講義にお招きすることができました。モンタナーロ先生は「幼児のための環境づくり」についてOHPを使って2時間大変感動的なお話をなさいました。上智大学の大講堂には630名が集まりました。
 モンテッソーリ教育で環境というと、それは「整えられた環境」を言います。世界のどこででも見られることですが、環境が変わると、生命も変わります。
 生命と環境は常に相互依存関係にあって、生命は環境なくしては存在し得ません。生命の進化からみて人間はヒトという種に属していますが、生命の自然の法則によって、ヒトは生まれてから3年の間に「人間となる過程」を辿るのです。
 無力で、なにも出来ないような新生児の外見ですが、実は1,000億のニューロンを脳に隠れもっているのです。この1,000億というニューロンという潜在能力・可能性というものが、初めてその一部分でも生かされるということのために「整えられた環境」が必要になってくるのです。
 私たちが子育てをするというのは、大変注意が要ること、そして、知識が要ることです。つまり、整えられた、準備のできる大人が必要だということです。
 人間の形をしている新生児ですが、本当に人間になるためには、最初の3年間の発達は大変重要です。見かけは人間である。しかし、精神が本当に人間になるために、この最初の3年間に、環境にあるものを使って本来の人間となっていきます。これはどういうことかと言えば、正しい環境がなければ、私たち人間は直立し二足歩行でさえできないのです。
 二足歩行を始めるのは大体一歳前後です。2歳のときに人間の言葉を学ぶ。そして2歳、3歳の間に、言語と二足歩行という人間の特徴を完成させていきます。ですから、マリア・モンテッソーリは「3歳になったときの子どもを見ると、ここにほぼ完成された人間を見ることができる」というふうに言っています。
 この講義の内容は『モンテッソーリ教育 第38号』(日本モンテッソーリ協会ー学会ー毎年3月20刊行)に掲載されます。なお、平成15年12月11日(水)のモンタナーロ先生の特別講演「親になる準備―乳幼児期における人格発達の重要性―」のお話は『モンテッソーリ教育 第37号』に掲載されています。


当日の講義の様子です