使っているエフェクターは次の通りだが、エフェクターについても不明な点が多い。本人は「It was that first homemade guitar with a cable going through an MXR flanger, then a Phase 90, and then an Echoplex, and
straight into the Marshall head.」、「フランジャー、フェイザー、エコープレックスの順」(ロッキンf1979年11月号)と言っている。
資料は、ミュージックライフ1978年8月号、ヤングギター1978年9月号、プレイヤー誌1996年8月号、Neil Zlozowerの写真を参考にした。エフェクターのイラストはguitar007という人が作ってくれた。 * MXR Flanger(M-117) Ain't talk about loveやUnchainedのイントロに使われている。ギターから30フィート(10m)あるシールドの後、最初に接続されるエフェクターだ。 *
つまみのセッティングは不明。本人の言う通りギターとアンプの間につないで、色々つまみのセッティングを変えてみてもあの過激な音にならない。「なぜ、うねりのちょうどよい所で具合良くフランジングがかかるのか?」という質問に対し、本人は「いつも運がいいんだよ」と同インタビューで答えている。色々な人の意見や筆者が試してみた感じでは、Manual 10:00, Width 10:00, Speed 11:00, Regen 17:00(最大) 辺りではないかと思う。 なお、フランジャーはノイズを抑えゲイン落ちしないようカスタマイズされている。
* Maestro Echoplex (EP3)2台 2台をパラレルに使っているか(直列だとノイズがひどくなるし、2台のセッティングは同じように見える)、1台は予備だと思う。しかし、ステージ上のエフェクトボードにも2つのフットスイッチがあるし、本人は「2台はセッティングを変えて使い分けている」と言ったという話もあり、詳細は不明。なお、本人は「エコープレックスは一度に一台しか使わない」と言っている。
セッティングに関しては、入手可能な写真では、すべてEchoplexの電源(最左のリピート回数つまみと兼用)がオフになっているし、ドライバーで調整する小さな穴のところは知る由もないので、詳細は不明。エコータイムの目盛は12の位置であることが分かる。
Echoplexの後は、次のBOSS GE-10につながっている。なお、初来日時のこの部分の写真は2枚あり、1枚目の写真では明らかにGE-10につながっているが、もう1枚の写真だとGE-10をつなげていないようにも見える。
ところで、このEchoplexもEVHサウンドの1つのカギではないかと思っている。エコーエフェクトとしての機能よりも、通すだけで原音が太くなりゲインもほんの少し増えた感じになる機能だ。EddieがBrian MayとセッションしたStar Freetについて、Brian Mayはインタビューで「EddieはオールドマーシャルのヘッドとEchoplexを持ってスタジオに来た」と言っている。また、マイケル・ジャクソンのBeat itのソロ部分について、VHのオフィシャルページの解説にも「An old Marshall amplifier and cabinet were used, (though not his trusty Super Lead) and the solos were played on Edward's now-retired Charvel Frankenstrat along with an Echoplex.」と書かれている。実際どちらの曲を聴いてもエコーとして使われているようには聞こえない。ただ、両曲の音もいい音ではあるが、しかしそれでもなお1stアルバムのあのしびれる爆音ではない。1stアルバムでEQも使われたかどうかを知りたい。
なお、アンプヘッドの前にエコーを持ってくると全体の音は良くなるが、ディレイ音は汚くなる。1stアルバムを聞いても、ギター側でかけているディレイはほとんどないように感じる。アルバム全体での広がりのあるギターのディレイ音はEchoplexではなく、ミキサーで処理している。「a slight 10 millisecond delay added to the dry tone with a Evantide, and a hard pan from the output of an EMT plate reverb.」
BOSS GE-10 Graphic EQ。Echoplexの直後につながっている。図のようにゲインと中域がブーストされている。しかし、Echoplexのところで述べた2枚の写真を見較べると、同じ日の同じ場所で同じカメラマンが撮影した写真なのに、GE-10のセッティングもまたどういう訳か少し異なっているように見える。
このEQからはフットスイッチが出ていないので、常にオンになっていると考えられる。本人は「長いシールドを使うとハイ落ちするので、ペダルとアンプの間にラインをブーストさせるEQを使っている」と述べている。