印税



印税とは、印紙税から来ていると言われ、著作権者が著作権使用料として出版社から発行部数見合いで受け取る金銭のことをい いいます。

本の場合、初版発行部数分の印税を受け取り、増刷するごとに増刷分の印税を出版権を許諾した出版社から受け取ること になります。印税率として決まったものがあるわけではありませんが、だいたい10%ぐらいと言われているみたいです。

音楽の場合、作曲家、作詞家が受ける音楽著作権印税、アーティストがレコードの売上枚数見合いで受け取るアーティスト印税、 同じくプロデューサーが受け取るプロデュース印税、音楽出版社がプロモーション見合いで受けるプロモーション印税、 共同原盤者が受ける原盤印税等多種多様の印税があります。

音楽著作権印税はJASRAC及び音楽出版社経由で作詞家・作曲家が受け取る場合が多いようですが、JASRACなり、音楽出版社に自分 の曲なり詩を預けなければならないということはなく、逆にJASRACも申し込まれた楽曲の全てを預かって著作権管理を行うわけで はなく、一定の基準を満たしたものだけ預かり、著作権の管理を行っています。JASRACなり音楽出版社に著作権管理を委託すると 当然のことながら管理手数料を取られます。ちなみにJASRACに管理を委託する場合の要件は以下の4条件となっています。

@ 演奏実績〜 自分以外の主催で会場の定員が500名以上、入場料のあるコンサートで作品が使用されていること。
  * ライブハウス、ホテルのラウンジ他、社交場での演奏は除く
  * 小ホールの演奏の場合、3回以上の演奏実績要
A 録音実績〜 日本国内の大手メーカーからCD等が出されていること。中小メーカーから出されている場合は、 1000枚以上の出荷実績要。自主制作盤、委託盤は除く。
B 出版実績〜 大手出版社が発行する出版物に著作物が使用されていること。自主制作、委託出版は除く。
C 放送実績〜 テレビ、ラジオにおいて著作物が使用されていること。
  * 有線放送、コミュニティ放送、コマーシャル放送は実績にならない。
  * ローカル放送の場合、3回以上の放送実績要。

レコード会社との契約に基づきCDの売上見合いで支払われるアーティスト印税の相場はCD売上高の1〜3%と言われていますが、 その率はアーティストによって当然異なり、売れるアーティストほど印税率も高くなり、二桁に近い印税を得るアーティストも いるようです。売れるアーティストは当然販売枚数も多いわけですから印税を計算する母体も大きくなります。母体が大きく印税 率も高いということは、受取額もそれだけ大きくなります。しかし、アーティスト印税は一旦プロダクション等アーティストの所属 事務所に支払われますから、契約上アーティスト印税として支払われた金額が実際アーティストにいくら支払われるかはアーティ ストと事務所の契約次第ということになります。また、アーティスト印税は音楽著作権印税ではありませんので、JASRACが徴収した 音楽著作権使用料がアーティスト又は所属事務所に支払われるわけではなく、レコード会社との間で締結される専属実演家契約等 に基づきレコード会社からレコード(CD)の売上高に応じて支払われるものです。

リクープとはアーティスト等との契約当初に契約金という形でまとまった金銭を支払う場合が多く、頭で支払った金銭に見合う 金額までレコードの売上げに伴い発生する印税を充当することが行なわれており、そのように印税を頭金に達するまで充当していく ことをリクープといい、印税額が契約金額に達するまでは発生印税が契約相手に支払われることはありません。印税額が契約金額に 達しない状態をリクープ残があるといい、印税額が契約金額に達した場合をリクープし終わるといいます。印税額が契約金額に達し ない契約も少なからずあり、そのような契約は契約金額が高すぎたということが言えます。リクープはrecoupと綴り、差し引く、 控除する、埋め合わせる等の意味があります。