著作権法第30条以降に著作権の制限条項について規定されています。
(私的使用のための複製)
第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内
その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲
げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部
又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
二 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う
技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、
又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号
及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りな
がら行う場合
2 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の
私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として
録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は
録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払
わなければならない。
私的使用のための複製として著作権が制限される場合は、以下のとおりとなります。
@ 個人的な使用であること
A 家庭内その他これに準じる限られた範囲内における使用であること
B 著作物を使用する者が複製すること
C 公衆の用に供されている自動複製機器を使用して複製するものでないこと(文書又は図画の複製に供する物を除く(*))
D 技術的保護手段を回避して行うものでないこと
私的使用のための複製が認められているのは、エアチエックしたものを繰返し聴く/見るため、親子・兄弟で同じ家の中で違う 部屋で聴く/見るため、車を運転する時に車内で聴くため、等極めて限られた範囲で、かつプライベートで使用する範囲で 例外的に複製が認められているものです。従って、コピーした物を友達に渡す、あげる行為は既に「個人的」な使用の範囲も、 「家庭内それに準じる範囲」も超えることになりますので、第49条の「目的外使用」となり、著作権の侵害となります。
*附則
(自動複製機器についての経過措置)
第五条の二 著作権法第三十条第一項第一号及び第百十九条第二項第二号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に
規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。
第2項に「私的録音録画補償金」についての 規定がされています。これは、従来のアナログ方式の録音・録画と異なり、 その方式がデジタル方式に変わることによって、どれだけ複製しても劣化することなく誰でも複製を行うことができるように なり、その結果、例えば、CDやDVDを購入した人が、自分が持っている プレイヤー又はパソコンでCD/DVDを複製し、複製したものを機器内に蓄積し、また蓄積された音楽や映画を自分で生CDやDVDに 焼付け、保存することにより、いつでもそのCD/DVDを楽しむことができますから、購入したCDやDVDを中古ショップに売却して も何も困ることはなくなりました。中古ショップに売却されたCDやDVDが再販されることにより、本来であれば、新品のCDやDVDが 売れたはずのものが売れなくなりますので、減少する新品CD、DVDの販売を補うために、デジタル機器及び記録媒体のメーカから 当該機器及び媒体の売上高に応じて一定率を補償金という名目で支払わせ、補償金を権利者に戻そうとするものです。 これは、法律上は、私的使用のための複製が許され、かつ、譲渡権は 最初の販売時に消尽しているために、上記したような自分のために複製物を所有し、オリジナル商品を譲渡することを法律的 には制限できないことの補完として規定されたものです。オリジナルを自分が所有し、複製物を他人に譲渡すれば複製権の 侵害になるわけですが、その逆は違法行為にならないという一種の法の盲点を補うものでもあります。
(私的録音録画補償金を受ける権利の行使)
第百四条の二 第三十条第二項(第百二条第一項において準用する場合を含む。以下この章において同じ。)の補償金
(以下この章において「私的録音録画補償金」という。)を受ける権利は、私的録音録画補償金を受ける権利を有する者
(以下この章において「権利者」という。)のためにその権利を行使することを目的とする団体であつて、次に掲げる私的
録音録画補償金の区分ごとに全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官が指定するもの(以下この章において
「指定管理団体」という。)があるときは、それぞれ当該指定管理団体によつてのみ行使することができる。
一 私的使用を目的として行われる録音(専ら録画とともに行われるものを除く。以下この章において「私的録音」という。)
に係る私的録音録画補償金
二 私的使用を目的として行われる録画(専ら録音とともに行われるものを含む。以下この章において「私的録画」という。)
に係る私的録音録画補償金
2 前項の規定による指定がされた場合には、指定管理団体は、権利者のために自己の名をもつて私的録音録画補償金を受ける
権利に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
私的録音録画補償金を受領することができる文化庁長官が指定する団体は、私的録音補償金管理協会と私的録画補償金管理協会 となっています。
補償金の対象となっている録音録画機器は以下の通りです。(施行令1条、1条の2)(平成17年5月現在):
(録音機器)
DAT(Digital Audio Taperecorder)
DCC(Digital Compact Cassette)
MD(Mini Disc)
オーディオ用CD-R(Compact Disc Recordable)
オーディオ用CD-RW(Compact Disc Rewritable)
(録画機器・記録媒体)
DVCR(Digital Video Cassette Recorder)
D-VHS(Data Video Home System)
MVdisc(Multimedia Video disc)
DVD-RW(Digital Versatile Disc Rewritable)
DVD-RAM(Digital Versatile Disc Random Access Memory)
補償金額は、録音機器が基準価格(カタログ表示価格)の65%の2%、上限1,000円(録音機能が一つの場合。録音機能が 二つの場合は上限は1,500円)、録音記録媒体が基準価格の50%の3%、金額は、少し古いデータですが平成13年度で約37億円 となっています。 録画機器は、基準価格の65%の1%で上限1,000円、記録媒体が50%の1%で、金額は平成13年度で約1億2,800万円となっています。 この制度については、対象機器をiPODやHDDに拡大すべきという意見や、そもそも徴収した金額は、権利者である作詞家や作曲家 又は実演家に配分されない(権利者を特定することができない)のであるから廃止すべきなどさまざまな意見が出されています。
(図書館等における複製)
第三十一条 図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(*)
(以下この条において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、
図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。
一 図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分
(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個個の著作物にあつては、その全部)の複製物を一人につき
一部提供する場合
二 図書館資料の保存のため必要がある場合
三 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を
提供する場合
*著作権法施行令
(図書館資料の複製が認められる図書館等)
第一条の三 法第三十一条 (法第八十六条第一項 及び第百二条第一項 において準用する場合を含む。)
の政令で定める図書館その他の施設は、国立国会図書館及び次に掲げる施設で図書館法 (昭和二十五年法律第百十八号)
第四条第一項 の司書又はこれに相当する職員として文部科学省令で定める職員が置かれているものとする。
一 図書館法第二条第一項 の図書館
二 学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第一条 の大学又は高等専門学校(次号において「大学等」という。)
に設置された図書館及びこれに類する施設
三 大学等における教育に類する教育を行う教育機関で当該教育を行うにつき学校教育法 以外の法律に特別の規定が
あるものに設置された図書館
四 図書、記録その他著作物の原作品又は複製物を収集し、整理し、保存して一般公衆の利用に供する業務を主として
行う施設で法令の規定によつて設置されたもの
五 学術の研究を目的とする研究所、試験所その他の施設で法令の規定によつて設置されたもののうち、その保存する
図書、記録その他の資料を一般公衆の利用に供する業務を行うもの
六 前各号に掲げるもののほか、国、地方公共団体又は民法 (明治二十九年法律第八十九号)第三十四条 の法人その他
の営利を目的としない法人(次条から第三条までにおいて「公益法人」という。)が設置する施設で前二号に掲げる施設と
同種のもののうち、文化庁長官が指定するもの
2 文化庁長官は、前項第六号の指定をしたときは、その旨を官報で告示する。
著作権が制限される図書館における複製は以下の場合となります。
@ 政令で定める図書館等であること
A 営利を目的としないこと(営利を目的としないとみなす)
B 図書館等の資料等を複製すること
C 利用者の求めに応じて複製するものであること
D 調査研究の用に供すること
E 公表された著作物であること
F 公表された著作物の一部分であること
G 提供する部数は一人に付き一部であること
H 図書館資料の保存のために必要がある場合
I 絶版等の理由により入手困難な図書館資料の複製物を他の図書館の求めに応じて提供する場合
(引用)
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に
合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、
その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、
雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
引用が認められる場合は以下の条件が満たされる場合のみです。
@ 公正な慣行に合致するものであること
A 引用の目的上正当な範囲内で行われること
B 引用する必然性があること
C 引用するものと引用されるものが、「主」と「従」の関係にあるもの
D 引用したものの出所を明示すること
本条に関連する訴訟に関する判決が平成15年3月28日東京地裁でありました。原告は、詩人の谷川俊太郎さんら作家9人で、被告 である教材会社の「光文書院」等学校補助教材会社(学習用ドリル作成会社)6社を相手取り著作権侵害による13億円の損害賠償を 求めたものですが、判決は、著作権侵害を認めて1億1522万円の損害賠償金の支払を命じました。事案内容は、光文書院等6社が 小学校の国語副教材に谷川さんらの著作物を無断で掲載したものですが、光文書院は、「引用に作家の許諾は必要なく、 教科書会社に使用料も支払っている」と主張してきましたが、判決は、「報道、批評、研究など著作権法で認められている引用 にはあたらないと判断し、著作権侵害が認められました。
(教科用図書等への掲載)
第三十三条 公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書
(小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校その他これらに準ずる学校における教育の用に供される児童用又は生徒用の
図書であつて、文部科学大臣の検定を経たもの又は文部科学省が著作の名義を有するものをいう。次条において同じ。)
に掲載することができる。
2 前項の規定により著作物を教科用図書に掲載する者は、その旨を著作者に通知するとともに、同項の規定の趣旨、
著作物の種類及び用途、通常の使用料の額その他の事情を考慮して文化庁長官が毎年定める額の補償金を著作権者に
支払わなければならない。
3 文化庁長官は、前項の定めをしたときは、これを官報で告示する。
4 前三項の規定は、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)の通信教育用学習図書及び第一項の教科用図書に
係る教師用指導書(当該教科用図書を発行する者の発行に係るものに限る。)への著作物の掲載について準用する。
教科用図書等への掲載に著作権が及ばない場合は以下のとおりとなります。
@ 公表された著作物であること(著作物の公表権は著作者人格権であり、譲渡できない著作者一審専属の権利です)
A 学校教育の目的上必要と認められる限度であること
B 児童又は生徒用図書であって文科大臣の検定を受けたもの又は文科省が著作名義である教科用図書に掲載されるもの
であること
C 教科用図書への掲載者は、著作者にその旨通知すること
D 文化庁長官が定める補償金を支払うこと
(教科用拡大図書等の作成のための複製)
第三十三条の二 教科用図書に掲載された著作物は、弱視の児童又は生徒の学習の用に供するため、当該教科用図書に
用いられている文字、図形等を拡大して複製することができる。
2 前項の規定により文字、図形等を拡大して複製する教科用の図書(当該教科用図書に掲載された著作物の全部又は
相当部分を複製するものに限る。以下この項において「教科用拡大図書」という。)を作成しようとする者は、
あらかじめ当該教科用図書を発行する者にその旨を通知するとともに、営利を目的として当該教科用拡大図書を頒布する
場合にあつては、前条第二項に規定する補償金の額に準じて文化庁長官が毎年定める額の補償金を当該著作物の著作権者
に支払わなければならない。
3 文化庁長官は、前項の定めをしたときは、これを官報で告示する。
弱視の児童又は生徒のために教科用図書に掲載された著作物を拡大して複製することができます。但し、 教科用拡大図書を作成しようとする者は、@あらかじめ当該教科用図書の作成者にその旨を通知し、 営利を目的として教科用拡大図書を頒布する場合は、A文化庁長官が定める補償金を著作権者に支払う必要があります。
(学校教育番組の放送等)
第三十四条 公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、学校教育に関する法令の定める
教育課程の基準に準拠した学校向けの放送番組又は有線放送番組において放送し、若しくは有線放送し、又は当該放送を
受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条の二第二項第二号に
規定する放送対象地域をいい、これが定められていない放送にあつては、電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)
第十四条第三項第三号に規定する放送区域をいう。以下同じ。)において受信されることを目的として自動公衆送信
(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力すること
によるものを含む。)を行い、及び当該放送番組用又は有線放送番組用の教材に掲載することができる。
2 前項の規定により著作物を利用する者は、その旨を著作者に通知するとともに、相当な額の補償金を著作権者に
支払わなければならない。
学校教育番組の放送等について著作権が及ばない場合は以下のとおりとなります。
@ 公表された著作物であること
A 学校教育の目的上必要であると認められる限度であること
B 学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠した学校向けの放送番組又は有線放送番組であること
C 上記放送又は有線放送を受信して同時に当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として
自動公衆送信すること
D 当該放送又は有線放送用教材に掲載すること
E 著作者に通知し、相当額の補償金を著作権者に支払うこと
(学校その他の教育機関における複製等)
第三十五条 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者
及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度
において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数
及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して
当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第三十八条第一項
の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業が行われる場所以外の場所に
おいて当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う
ことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害する
こととなる場合は、この限りでない。
学校における複製において著作権が及ばない場合は以下のとおりとなります。
@ 先生と生徒が使用すること
A 授業の中で使用すること
B 公表された著作物であること
C 著作権者の利益を不当に害するものでないこと
上記に該当する場合は、離れた場所で授業と同じ授業を同時に受ける者に対して公衆送信(放送、有線放送、又は自動公衆送信 (含む送信可能化)を行うこともできます。同時に受ける場合に限定されていますから、授業模様を録音、録画したものや スタジオ等で収録したものを後日公衆送信する場合は、当該授業の中で使用される著作物に関する公衆送信権を侵害することに なります。
「教育を担任する者」とありますので、学校が全校での使用を目的に複製することまで許容しているわけではないものと 思います。また、「著作権者の利益を不当に害する場合」も許容されていませんので、例えば、先生がCDを1枚買って、それを 音楽の授業に使用し、当該CDをコピーして生徒に渡し、聴いた感想を提出させるような行為は複製権の侵害になるものと思います。 ドリルを一部だけ買って、生徒数分だけコピーして配るような場合も許されません。
(試験問題としての複製等)
第三十六条 公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる
限度において、当該試験又は検定の問題として複製し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合に
あつては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該
公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 営利を目的として前項の複製又は公衆送信を行う者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わな
ければならない。
試験問題として著作物を使用する場合に著作権が及ばない場合は以下の場合となります。
@ 公表された著作物であること
A 試験又は検定の目的上必要と認められる限度であること
B 著作権者の利益を不当に害するものでないこと
C 営利を目的とする場合は、補償金を著作権者に支払うこと
上記条件を満たす場合は、著作物の複製及び公衆送信を行うことができます。
(点字による複製等)
第三十七条 公表された著作物は、点字により複製することができる。
2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信
(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
3 点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、公表された著作物
について、専ら視覚障害者向けの貸出しの用若しくは自動公衆送信(送信可能化を含む。以下この項において同じ。)
の用に供するために録音し、又は専ら視覚障害者の用に供するために、その録音物を用いて自動公衆送信を行うことができる。
福祉の観点から、公表された著作物は、著作者の許諾を得ることなく点字による複製を行うことができます。また、 パソコン等電子計算機によって点字処理を行うために、記録媒体に記録し、また公衆送信を行うこともできます。 また、点字図書館等においては、視覚障害者向けに著作物の録音物を貸し出し、また自動公衆送信を行うことができます。
(聴覚障害者のための自動公衆送信)
第三十七条の二 聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業を行う者で政令で定めるものは、放送され、又は有線放送
される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。以下この条において同じ。)について、
専ら聴覚障害者の用に供するために、当該放送され、又は有線放送される著作物に係る音声を文字にしてする自動公衆送信
(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによる
ものを含む。)を行うことができる。
耳が聞こえない人のために、放送又は有線放送される著作物について、聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業者は、 聴覚障害者のために、放送又は有線放送される著作物に係る音声を文字にして自動公衆送信を行うことができます。
(営利を目的としない上演等)
第三十八条 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを
問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、
演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者
に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。
2 放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、有線放送し、又は専ら
当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供され
ている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
3 放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。)は、
営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。
通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。
4 公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を
受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物
を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。
5 映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設その他の施設(営利を目的
として設置されているものを除く。)で政令で定めるものは、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者
から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができる。この場合において、当該頒布を行う者は、
当該映画の著作物又は当該映画の著作物において複製されている著作物につき第二十六条に規定する権利を有する者
(第二十八条の規定により第二十六条に規定する権利と同一の権利を有する者を含む。)に相当な額の補償金を支払わ
なければならない。
営利を目的としない上演等において、以下の場合には著作権は制限されます。
@ 公表された著作物であること
A 営利を目的としないこと
B 聴衆又は観衆から料金を受け取らないこと
C 上演又は演奏等を行う実演家等に対し報酬が支払われないこと
従って、町の公民館等で行なう無料のカラオケ大会、演奏会、演劇、上映会等で著作物を利用しても著作権料を支払う必要は
ないということになります。
放送される著作物は以下の場合には有線放送し、放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信を
行うことができます。
@ 営利を目的としないこと
A 聴衆又は観衆から料金を受け取らないこと
放送され、又は有線放送される著作物は以下の場合には受信装置を用いて公衆伝達することができます。家庭用受信装置
を用いて公に伝達する場合も同様です。
@ 営利を目的としないこと
A 聴衆又は観衆から料金を受け取らないこと
以下の場合、図書館等における複製物の貸与に対して著作権は及びません。
@ 公表された著作物(映画の著作物を除く)であること
A 営利を目的としないこと
B 貸与を受ける者から料金を受け取らないこと
映画等の複製物の貸与について著作権が及ばない場合は以下のとおりとなります。
@ 貸与する者は、政令で定める視聴覚教育施設その他の施設(営利目的の施設を除く)(*)であること
A 貸与を受ける者から料金を受け取らないこと
B 権利者に対して補償金を支払うこと
*施行令第2条の3第1項
一 国又は地方公共団体が設置する視聴覚教育施設
ニ 図書館法2条1項の図書館
(時事問題に関する論説の転載等)
第三十九条 新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説
(学術的な性質を有するものを除く。)は、他の新聞紙若しくは雑誌に転載し、又は放送し、若しくは有線放送し、
若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信
(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによる
ものを含む。)を行うことができる。ただし、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
2 前項の規定により放送され、若しくは有線放送され、又は自動公衆送信される論説は、受信装置を用いて公に伝達
することができる。
新聞等に掲載される論説(学術的な性質を有するものを除く)は、利用禁止の表示がない限り、以下のような利用を
行っても著作権を侵害することにはなりません。
@ 他の新聞紙又は雑誌に転載すること
A 放送し、又は有線放送すること
B 放送を受信して、当該放送の受信対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信すること
C 放送、有線放送、自動公衆送信される論説を受信装置を用いて公衆伝達すること
D 出所表示をすること
(政治上の演説等の利用)
第四十条 公開して行われた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行う審判その他裁判に準ずる手続を含む。
第四十二条第一項において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、
いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人において行われた公開の演説又は陳述は、
前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、
若しくは有線放送し、若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを
目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に
情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
3 前項の規定により放送され、若しくは有線放送され、又は自動公衆送信される演説又は陳述は、受信装置を用いて公に
伝達することができる。
政治上の演説、陳述、及び裁判手続における公開の陳述は、方法を問わず、利用することができます。
@ 公開されたものであること
A 同一の著作者のものを編集して利用するものでないこと
国、地方公共団体の機関、独立行政法人において行われた公開の演説又は陳述については、第一項によるものを除き、
以下の方法で利用することができます。
@ 報道の目的上正当と認められること
A 新聞紙又は雑誌に掲載すること
B 放送、又は有線放送すること
C 放送を受信して、放送対象地域向けに自動公衆送信すること
D 放送、有線放送、自動公衆送信される演説又は陳述は、受信装置を用いて公衆伝達すること
(時事の事件の報道のための利用)
第四十一条 写真、映画、放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の
過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に
伴つて利用することができる。
事件報道をする場合、以下の場合には著作権は及びません。
@ 著作物が当該事件を構成すること、又は
A 著作物が当該事件の過程において見られ、又は聞かれること
B 著作物の利用が、報道の目的上正当な範囲内であること
例えば、名誉毀損事件を報道する場合、報道の一環として当該名誉毀損事件の対象となっている週刊誌の記事を転載する場合 において当該記事を転載する行為は著作権侵害とはなりません。
(裁判手続等における複製)
第四十二条 著作物は、裁判手続のために必要と認められる場合及び立法又は行政の目的のために内部資料として必要と
認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途
並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 次に掲げる手続のために必要と認められる場合についても、前項と同様とする。
一 行政庁の行う特許、意匠若しくは商標に関する審査、実用新案に関する技術的な評価又は国際出願
(特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律(昭和五十三年法律第三十号)第二条に規定する国際出願をいう。)
に関する国際調査若しくは国際予備審査に関する手続
二 行政庁若しくは独立行政法人の行う薬事(医療機器(薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第四項
に規定する医療機器をいう。)に関する事項を含む。以下この号において同じ。)に関する審査若しくは調査又は
行政庁若しくは独立行政法人に対する薬事に関する報告に関する手続
裁判手続等において必要な場合、著作物の複製について著作権は及びません。
@ 裁判手続のために必要と認められる場合
A 立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合
B 必要と認められる限度で複製する場合
C 著作権者の利益を不当に害することとならない場合
D 特許庁において特許、意匠、商標に関する審査、実用新案に関する技術的な評価、国際出願に関する国際調査若しくは
予備調査に関する手続のために必要と認められる場合
E 行政機関における薬事に関する審査、調査、又は行政機関に対する薬事報告に関する手続のために必要と認められる場合
(行政機関情報公開法等による開示のための利用)
第四十二条の二 行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人は、行政機関
情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示することを
目的とする場合には、それぞれ行政機関情報公開法第十四条第一項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に
規定する方法、独立行政法人等情報公開法第十五条第一項に規定する方法(同項の規定に基づき当該独立行政法人等が
定める方法(行政機関情報公開法第十四条第一項の規定に基づく政令で定める方法以外のものを除く。)を含む。)
又は情報公開条例で定める方法(行政機関情報公開法第十四条第一項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)
に規定する方法以外のものを除く。)により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。
行政機関が情報公開法の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示する場合は、情報公開法に定める方法により 開示するために必要と認められる限度において著作物を利用することができます。
(翻訳、翻案等による利用)
第四十三条 次の各号に掲げる規定により著作物を利用することができる場合には、当該各号に掲げる方法により、
当該著作物を当該各号に掲げる規定に従つて利用することができる。
一 第三十条第一項、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十四条第一項又は
第三十五条 翻訳、編曲、変形又は翻案
二 第三十一条第一号、第三十二条、第三十六条、第三十七条、第三十九条第一項、第四十条第二項、第四十一条又は
第四十二条 翻訳
三 第三十七条の二 翻案(要約に限る。)
第30条以降に定める著作権が制限される場合において、翻訳、翻案等も著作権が制限されることによって利用できる
範囲において、以下の方法で翻案等を行うことができます。
@ 私的複製、教科用図書等への掲載、学校教育番組の放送等、教育機関における複製において利用できる著作物については、
利用する著作物をその目的の範囲内において、翻訳、編曲、変形、翻案すること
A 図書館等の利用者に応じ、複製物を一部提供する場合、引用する場合、試験問題として複製する場合、点字による複製等
を行う場合、時事問題に関する論説を転載する場合、国、地方公共団体の機関等において行われた公の演説又は陳述を報道
の目的上正当な範囲で新聞等に掲載し、又は放送する場合、時事事件の報道のために利用する場合、裁判手続等において
利用する場合において翻訳すること
B 聴覚障害者のために自動公衆送信するために要約すること
(放送事業者等による一時的固定)
第四十四条 放送事業者は、第二十三条第一項に規定する権利を害することなく放送することができる著作物を、
自己の放送のために、自己の手段又は当該著作物を同じく放送することができる他の放送事業者の手段により、
一時的に録音し、又は録画することができる。
2 有線放送事業者は、第二十三条第一項に規定する権利を害することなく有線放送することができる著作物を、
自己の有線放送(放送を受信して行うものを除く。)のために、自己の手段により、一時的に録音し、又は録画
することができる。
3 前二項の規定により作成された録音物又は録画物は、録音又は録画の後六月(その期間内に当該録音物又は録画物を
用いてする放送又は有線放送があつたときは、その放送又は有線放送の後六月)を超えて保存することができない。
ただし、政令で定めるところにより公的な記録保存所において保存する場合は、この限りでない。
放送事業者は番組編成上必要な場合放送する著作物を一時的に固定することができ、その期間は録音又は録画の後 6ヶ月となっています。平成14年に和解したスターデジオ訴訟において、「音楽データを保有サーバに蓄積することは、一時的に 録音することにあたる」という判決が一審で行なわれました。また、「放送のための一時的な録音にあたるかどうか」を判断する に当たっては、当該録音が、その目的とされる放送の実態に照らし、具体的な放送に通常必要とされる範囲内のものか否かという 観点から考察すべきものであるという判断基準を示した上で、一時的な録音に当たるという判断をしました。しかしながら、著作 権法制定当時(昭和46年当時)において、スターデジオのような同じプログラムを24時間繰返し放送される放送形態は全く想定さ れておらず、また、一時的な固定は6ヶ月という限定がなされているにも関わらず、判決の中においては、スターデジオが保有 サーバーの中に楽曲を保存している期間を検証することなく、運用形態のみを勘案し、違法性を阻却したことに疑問を感じるとこ ろです。
(美術の著作物等の原作品の所有者による展示)
第四十五条 美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物を
その原作品により公に展示することができる。
2 前項の規定は、美術の著作物の原作品を街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁
その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、適用しない。
美術の著作物又は写真の著作物の原作品の所有者は、著作者の権利である展示権に抵触することなく、その原作品 によって公に展示することができます。但し、美術の著作物の原作品を屋外の場所に恒常的に設置する場合には第一項 の例外規定は適用されなくなります。
(公開の美術の著作物等の利用)
第四十六条 美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の
著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
一 彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
二 建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合
三 前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合
四 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合
美術の著作物が屋外に恒常的に設置されているもの、又は建築の著作物は以下の場合を除き誰でも利用す
ることができます。
@ 彫刻を増製し、増製した彫刻を公衆に譲渡する場合
A 建築の著作物を建築により複製し、又は複製物を公衆に譲渡する場合
B 美術の著作物を屋外に恒常的に設置するために複製する場合
C 美術の著作物の複製物を販売するために複製する場合、又はその複製物を販売する場合
(美術の著作物等の展示に伴う複製)
第四十七条 美術の著作物又は写真の著作物の原作品により、第二十五条に規定する権利を害することなく、これらの
著作物を公に展示する者は、観覧者のためにこれらの著作物の解説又は紹介をすることを目的とする小冊子にこれらの
著作物を掲載することができる。
第45条の定めにより展示権を有するものは、展示物の解説又は紹介用の小冊子に展示品の複製物を掲載 することができます。
(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)
第四十七条の二 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において利用するために
必要と認められる限度において、当該著作物の複製又は翻案(これにより創作した二次的著作物の複製を含む。)
をすることができる。ただし、当該利用に係る複製物の使用につき、第百十三条第二項(*)の規定が適用される場合は、
この限りでない。
2 前項の複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む。)のいずれかについて滅失以外
の事由により所有権を有しなくなつた後には、その者は、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物
を保存してはならない。
*(侵害とみなす行為) 第百十三条 2 プログラムの著作物の著作権を侵害する行為によつて作成された複製物(当該複製物の所有者によつて第四十七条の二 第一項の規定により作成された複製物並びに前項第一号の輸入に係るプログラムの著作物の複製物及び当該複製物の所有者 によつて同条第一項の規定により作成された複製物を含む。)を業務上電子計算機において使用する行為は、これらの複製物 を使用する権原を取得した時に情を知つていた場合に限り、当該著作権を侵害する行為とみなす。
プログラムの複製物の所有者は、必要と認められる範囲で当該プログラムを複製又は翻案(改変)することができます。 但し、著作権を侵害するプログラムを複製、翻案することはできません。また、プログラムの著作物の所有権を失った後は、 複製、翻案したプログラムも所有することはできません。
(保守、修理等のための一時的複製)
第四十七条の三 記録媒体内蔵複製機器(複製の機能を有する機器であつて、その複製を機器に内蔵する記録媒体
(以下この条において「内蔵記録媒体」という。)に記録して行うものをいう。次項において同じ。)の保守又は
修理を行う場合には、その内蔵記録媒体に記録されている著作物は、必要と認められる限度において、当該内蔵記録
媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該保守又は修理の後に、当該内蔵記録媒体に記録することができる。
2 記録媒体内蔵複製機器に製造上の欠陥又は販売に至るまでの過程において生じた故障があるためこれを同種の機器と
交換する場合には、その内蔵記録媒体に記録されている著作物は、必要と認められる限度において、当該内蔵記録媒体
以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該同種の機器の内蔵記録媒体に記録することができる。
3 前二項の規定により内蔵記録媒体以外の記録媒体に著作物を記録した者は、これらの規定による保守若しくは修理
又は交換の後には、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物を保存してはならない。
保守又は修理のために必要な範囲で機器の内部に記録されているデータを外部メモリーに一時的に記録し、修理後、 外部メモリーから機器内メモリーに記録することができます。
(複製権の制限により作成された複製物の譲渡)
第四十七条の四 第三十一条第一号、第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、
第三十三条の二第一項、第三十四条第一項、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十七条第一項若しくは第二項、
第三十九条第一項、第四十条第一項若しくは第二項、第四十一条、第四十二条、第四十二条の二、第四十六条又は
第四十七条の規定により複製することができる著作物は、これらの規定の適用を受けて作成された複製物
(第三十一条第一号、第三十五条第一項、第三十六条第一項又は第四十二条の規定に係る場合にあつては、
映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。
以下この条において同じ。)を除く。)の譲渡により公衆に提供することができる。ただし、第三十一条第一号、
第三十三条の二第一項、第三十五条第一項、第四十一条、第四十二条又は第四十二条の二の規定の適用を受けて作
された著作物の複製物(第三十一条第一号、第三十五条第一項又は第四十二条の規定に係る場合にあつては、映画の
著作物の複製物を除く。)を、第三十一条第一号、第三十三条の二第一項、第三十五条第一項、第四十一条、
第四十二条又は第四十二条の二に定める目的以外の目的のために公衆に譲渡する場合は、この限りでない。
複製権の制限によって複製された複製物を公衆に譲渡することができるものは以下のとおりとなります。
@ 図書館の利用者の求めに応じ複製物を一部提供する場合
A 引用
B 教科用図書への掲載
C 教科用拡大図書等の作成のための複製
D 学校向け放送番組の教材への掲載
E 学校における複製
F 試験問題としての複製
G 点字による複製
H 電子計算機を用いた著作物の点字処理
I 論説の転載
J 政治上の演説の利用
K 国若しくは行政機関で行なわれた演説の利用
L 時事の事件の報道のために利用
M 裁判手続等における複製
N 行政機関情報公開法による開示のための利用
O 公開の美術の著作物等の利用
P 美術の著作物等の展示に伴う複製
但し、@、C、E、L、M、Nの複製物を各条項の目的以外の目的のために公衆に譲渡することはできません。
(出所の明示)
第四十八条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的
と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
一 第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、
第三十七条第一項、第四十二条又は第四十七条の規定により著作物を複製する場合
二 第三十四条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二、第三十九条第一項又は第四十条第一項若しくは
第二項の規定により著作物を利用する場合
三 第三十二条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合又は第三十五条、第三十六条第一項、
第三十八条第一項、第四十一条若しくは第四十六条の規定により著作物を利用する場合において、その出所を明示する
慣行があるとき。
2 前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、
当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。
3 第四十三条の規定により著作物を翻訳し、編曲し、変形し、又は翻案して利用する場合には、前二項の規定の例により、
その著作物の出所を明示しなければならない。
以下の場合には、著作物の出所を明示しなければなりません。
1.以下の目的で複製する場合
@ 引用
A 教科用図書への掲載
B 教科用拡大図書等の作成のための複製
C 点字による複製
D 裁判手続における複製
E 美術の著作物の展示に伴う複製
2.以下の目的で利用する場合
@ 学校教育番組の放送
A 視覚障害者のための録音及び自動公衆送信
B 視聴覚障害者のための自動公衆送信
C 時事問題に関する論説の転載等
D 政治上の演説の利用
E 国又は地方公共団体での公開の演説又は陳述
3.その他
@ 引用の場合で複製以外の方法により利用する場合において、その出所を明示する慣行がある場合
A 学校その他の教育機関における複製等、試験問題としての複製等、営利を目的とせず、料金を受け取らないで
公に上演し、演奏し、上映し、又は口述する場合、時事の事件の報道のための利用、公開の美術の著作物等の利用
の場合であって、その出所を明示する慣行があるとき
出所を明示する場合、著作者名も表示しなければなりません。
第43条の規定により、翻訳、編曲、変形、翻案 して利用する場合は、出所表示をしなければなりません。
著作権の制限条項によって、著作物を複製し、又は利用する場合、その目的以外に使用すると複製権の侵害になります。
1.複製権の侵害とみなされる場合
@ 私的複製、図書館の利用者の求めに応じ複製物を一部提供する場合、教科用拡大図書等の作成のための複製、
学校その他の教育機関における複製等、視覚障害者のための録音及び自動公衆送信、時事の事件の報道のための利用、
裁判手続等における複製、行政機関情報公開法等による開示のための利用、放送事業者等による一時的固定に定める
目的以外の目的のために、これらの規定によって作成された複製物を頒布し、又は公衆に定時した者
A 放送事業者等による一時的固定期間(放送後6ヶ月)を超えて録音物又は録画物を保存した者
B 保守、修理用に記録したプログラムの著作物を頒布し、又は公衆に提示した者
C プログラムの著作物の所有権を失った後もその複製物を保存し、又は保守、修理用に記録した記憶媒体を保守、修理後も
保存した者
2.翻訳、翻案権の侵害とみなされる場合
@ 私的複製、図書館の利用者の求めに応じ複製物を一部提供する場合、教科用拡大図書等の作成のための複製、
視覚障害者のための録音及び自動公衆送信、時事の事件の報道のための利用、裁判手続等における複製に定める目的以外の
目的のために、第43条の規定の適用を受けて翻訳、翻案された二次的著作物の複製物を頒布し、当該二次的著作物の複製物
によって当該二次的著作物を公衆に提示した者
A 保守、修理用に複製、翻案したプログラムの二次的著作物を頒布し、当該二次的著作物の複製物によって当該二次的著作物を
公衆に提示した者
B プログラムの著作物の所有権を失した者が翻案したプログラムの著作物の複製物を保存した者